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三河平定と徳川改姓(1564-66年)

家康は永禄7年(1564年)2月の三河一向一揆鎮圧後、再び東三河への侵攻を開始してその支配を急速にすすめていく。

三河国平定まで

この頃の家康の知行宛行状には、以下のように今川から離反して家康に属した将がちらほら散見されている。

  • 同年2月27日付:奥三河の奥平定能に知行を与える。
  • 同年5月13日付:渥美郡二連木の城主・戸田重貞に本知(渥美郡)と新知(宝飯・渥美両郡)の知行を与える(『杜本志賀文書』)。
  • 同年5月14日付:岩瀬河内守の帰参を許し、宝飯郡大塚郷を安堵して長沢城の在番を命じる。

三備の軍制の構築

そして6月に入ると、家康は酒井忠次に命じて大原資良の守備する三河吉田城を攻めさせ、通説では同月中に攻略(『御庫本三河記』『武徳編年集成』など)したという。また、一方で同月に本多広孝に命じて渥美郡田原城を攻めさせている(『寛永諸家系図伝』『朝野旧聞裒藁』など)。

このほか、注目すべきは6月22日に家康は酒井忠次を東三河の統括に命じている。

三河平定のころには三備(みつぞなえ)と呼ばれる家臣団の組織編成がつくられているが、 忠次はその一角である東三河のトップ(旗頭)として東三河の支配を委ねられる重責を背負う立場となったということである。

しかし、吉田城と田原城の攻略時期については『岡崎市史』によると、翌年の永禄8年(1565年)3月のこととされており、近年ではこちらが有力視されているようである。

いずれの時期にしたとしても今川氏真にとっては吉田城は東三河の最後の重要拠点であったため、これを制圧した家康は東三河をほぼ掌握したともいえる。

岡崎三奉行の設置

三河国平定が目前となった家康は同国の領国支配体制をさらに強固なものにしていく。三備の軍制もそうだが、吉田城攻略と同時期にあたる同年3月7日に設置された岡崎三奉行(三河三奉行)などもまさにその1つであった。

岡崎三奉行とは家康家臣の本多重次・高力清長・天野康景の3人が、それぞれ民政・訴訟などの任務にあたったものという(『家忠日記増補』『武徳大成記』)。
『寛政重修諸家譜』によれば、彼ら三人を「仏高力、鬼作左、彼是偏(どちへん)無しの天野三兵」といい、家康のたくみな人選ぶりをたたえたという。仏高力=高力清長、鬼作左=本多重次、彼是偏=天野康景ということのようである。

三河平定

永禄9年(1566年)5月、宝飯郡牛久保城主の牧野成定が家康に属した(時期は諸説あり)。これにより、東三河の今川勢力は一掃されたことになり、家康はついに三河平定を成し得たのである。

徳川姓への改姓

同年12月29日、家康は正親町天皇の勅許を得て「松平」から「徳川」に改姓し、同時に従五位下・三河守に叙任された。
三河守は今川義元と同じ受領名であり、名実ともに三河の戦国大名となったことを内外に示したものであった。

ちなみに改姓の時期については、永禄12年とするものもある(『武徳編年集成』『徳川実紀』)が、史料解釈に誤りもみられる事などから有力はない。

さて、徳川に改姓したワケは何だったのであろうか。

難航した改姓手続き

実は松平という名字のままでは叙位・任官が叶わなかった。松平氏は過去に叙任された先例がなかったという。

当時は「天下の四姓(源氏・平氏・藤原氏・橘氏)」とつながる家系に叙任するのが一般的だったらしく、松平氏はそれにあてはまらないため、勅許・叙任を得るのが難しかった。
そこで家康は源氏の流れを汲む徳川氏に松平氏を結びつけようとし、朝廷への働きかけは関白・近衛前久を通じて行なわれた。

家康の祖父・松平清康は「世良田次郎三郎清康」として世良田氏を名乗ったことがあり、この世良田氏というのが徳川氏の庶流にあたる家系であった。そして家康も自分が源氏であることを意識していたようであり、過去の発給文書において「源元康」の署名が多くみられている。

このため、各史料では "改姓" ではなく "復姓" とし、先祖が名乗っていた徳川姓にもどっただけとしている。
ただ、清康が世良田氏を名乗ったのは今川氏や斯波氏に対抗するための粉飾とみられており、実際には「家康=源氏」は成り立たないらしい。

前久らの尽力により、万里小路家の旧記から先例を探し出して系図を仕立て、最終的には源氏でなく、藤原氏につながる藤原姓徳川氏として叙位・任官となったというのである。

ちなみに家康はのち、再び源姓徳川氏に鞍がえをしている。


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