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【名場面】大阪城へ来た謎の山伏の名刀(1614年)

1614年(慶長19年)の大阪冬の陣が始まる直前のある日、豊臣方の大野治長の屋敷に "伝心月叟" という謎の山伏が訪ねてきたときの話である。
※『名将言行録』より

▼主な登場人物

  • 家来アイコン

    謎の山伏

  • 大野治長

    大野治長


---1614年(慶長19年)---
【大阪城の大野治長の屋敷にて】

治長の屋敷の者

ん?どこからおいでの方か?

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謎の山伏

大峰から祈祷の書物を治長様に差し上げに参りました。

治長の屋敷の者

うむ、それは御苦労であったな。

殿は今、登城されていて不在だから帰宅を待たれよ。

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謎の山伏は番所の脇へ呼び入れられた。番所では若侍たちが刀の目利きをしていた。

そして一人の若侍が謎の山伏を見てこのように言った。

若侍の一人

・・・貴公の刀を拝見させてもらえぬか?

家来アイコン
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謎の山伏

いやいや、この刀は犬脅しのものです。

お目にかけるようなものではございませんが、それではお慰みにどうぞ。

若侍の一人

むう?山伏にしてはよい刀を持っておるのう。ついでに脇差も見せてもらえぬか?

家来アイコン

山伏は快く脇差も見せ、そしてこれも見事な物であった。若侍たちはこれに視線を這わせていたところ、銘を見ると・・・

若侍の一人

!!・・こ、この刀は!?

これは正宗、そして、脇差は貞宗の作ったものではござらぬか!!!

(むう?・・こやつはただ者ではないな。)

※正宗(=鎌倉時代の名工・岡崎正宗)、貞宗(=正宗の養子)

家来アイコン

そこへちょうど大野治長が城から戻ってきた。そして治長は山伏の顔を見ると、その場に手を突いてかしこまって言った。

大野治長

これはこれは、ようこそおいで下さいました。近日中にと承ってはおりましたが、早速おいで願いましてありがとうございました。

家来アイコン
真田幸村アイコン

幸村

どんでもない。こちらこそありがとうございます。

そう・・・、"謎の山伏" はなんと真田幸村だったのだ。

治長は幸村に何度も礼を言って、書院に案内した。そして、若侍たちはこのとき初めて謎の山伏の正体に気づいたのであった。

若侍たち

!!!!

(えええっ!?真田幸村か?マジかよっ!?)

家来アイコン

その後、幸村は彼らに会うとこう言った。

真田幸村アイコン

幸村

おや?刀の目利きの腕は上がりましたかな?

若侍たち

・・・(カァ~)

家来アイコン

若侍たちは皆、赤面するばかりであった。。


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