※ この記事はユーザー投稿です

飛鳥時代の服装と食事が知りたい

飛鳥時代とは

九州から東北までを統一した大和政権。その中で特に力を持ったのが、蘇我氏と物部氏でした。

蘇我氏は財務を担当し物部氏は軍事を担当、政治運営の両輪となっていました。そんな時大陸から仏教が伝わったことで、両者が対立をすることになります。仏教の導入推進派となる蘇我氏に対して、物部氏は絶対反対で蘇我氏に反発したのです。結局は、蘇我馬子が物部守屋を滅ぼして終結。崇峻天皇が崩御した後、推古天皇が即位して、その片腕として聖徳太子が登場するのです。

聖徳太子は、様々な改革や朝廷制度の礎を築いた後、この世を去ります。太子と蘇我馬子がいなくなり、馬子の息子である蝦夷、続いて孫の入鹿が政権を独占。これに反発した中臣鎌足が、645年に中大兄皇子とともに蘇我氏を倒したのです。その後、中大兄皇子が天智天皇として即位し、天皇を中心とした中央集権国家の確立に向かいます。

673年、天武天皇が即位し、大臣を一人も置くことなく、皇子たちと力を合わせた政治を行い豪族を支配しようとしました。続く持統天皇もこの政策を受け継ぎ、政令を施行します。更に文武天皇は、藤原不比等らとともに大宝律令を制定。これにより日本は刑法などを整えた律令国家になったのです。

飛鳥時代の服装

飛鳥時代の服装は、身分の高い人にだけ鮮やかな色彩が施されています。男性は、ズボン風の袴をはいて黒い冠をかぶっていました。女性は、上着の下にスカート風のものを身に着けていたようです。

庶民の服装においては、弥生時代からあまり変わっていません。服にも彩色はされていませんでした。住居も服装も、庶民の生活は昔から大して変わっていなかったようですね。

飛鳥時代の文化としては、大陸から影響を受けているのが特色ですが、ヘアスタイルもまた同じです。この時代の男性のヘアスタイルは髻(もとどり)と呼ばれ、頭上で髪を結っていました。

冠をかぶるためだったようですね。女性のヘアスタイルでは、宝髻(ほうけい)と双髻(そうけい)の2種類がありました。宝髻とは髪を頭上で束ね、金属製のかんざし的なアイテムを挿して、金銀玉の飾りを加えたスタイル。もう一つの双髻とは、髻が2つある髪型をいいます。

・貴族の男性
飛鳥時代に暮らす貴族階級の服装は彩色も豊かだったのですが、その色は身分によって決められていました。この色は、衣服だけでなく持ち物なども統一されています。頭には黒い冠を着け、上はコート風になっている長くゆったりとした服で、ひもを使って腰あたりで結んでいました。下はズボンのような袴をですね。

・貴族の女性
女性の貴族の場合、上はゆったりとした着色された服装です。下は縦じま模様が施された、裾の広がったスカート的な服を付けていました。

・庶民の服装
農民などを含めた一般人の方々は、服装も弥生時代からあまり変化していません。シンプルで単純な、無彩色で白布の服を着ていました。

飛鳥時代の食事

飛鳥時代の食事は、身分の違いであまりに大きく異なっています。

身分の高い人しか飲めない特別なものとして、牛乳がありました。牛乳を長時間煮詰めて、「蘇」と呼ばれる食べ物を作ったり、牛乳ベースの「飛鳥鍋」と言うべき鍋物などが食ベられていたんです。その他にも、貴族階層では鯛やアワビなどといったいろいろな海鮮も食べていて、品数も多く充実していたみたいですね。

それに反して下級役人クラスでは、イワシの煮付けくらいは食べていましたが、かなり質素な食事だったようです。それに加え、都へ働きに出てきた庶民クラスだと、一汁一菜が基本になります。そのため、栄養不足に陥り倒れてしまう人もいました。

階級によってかなりの差がついていた飛鳥時代の食事。貴族階級では、真鯛・アワビ・鮎・古代チーズなど様々な食材を食べることができ、栄養過多から成人病にかかることも少なくありませんでした。それに比べて下級役人の食生活は、玄米が主食になっていて、おかずに味噌汁・きゅうりの塩漬け・かぶの酢の物・いわしの煮付けなどが知られています。

貴族階級の食事と比べると、質素とはいえかなり健康的ですよね。そして、お酒も飲んでいたそうですよ。
そんな中、悲惨だったのが庶民階級の食生活です。

玄米に塩を振って食べ、付け合わせは海草の味噌汁とゆでた青菜や山菜くらいのもの。弥生時代からほとんど進化が見られない食事で、一汁一菜が基本でした。栄養失調で倒れる人も多かったんです。また仏教が影響して、肉が禁止されることもしばしばあったそうです。

※この掲載記事に関して、誤字脱字等の修正依頼、ご指摘などがありましたらこちらよりご連絡をお願いいたします。

  この記事を書いた人
五百井飛鳥 さん
聖徳太子に縁のある一族の末裔とか。ベトナムのホーチミンに移住して早10年。現在、愛犬コロンと二人ぼっちライフをエンジョイ中。本業だった建築設計から離れ、現在ライター&ガイド業でなんとか生活中。10年以上前に男性から女性に移行し、そして今は自分という性別で生きてます。ベトナムに来てから自律神経異常もき ...

コメント欄

  • この記事に関するご感想、ご意見、ウンチク等をお寄せください。