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鎌倉新仏教とは?その特徴を詳しく解説!!
- 2022/08/15
はじめに
皆さんは鎌倉新仏教というものをご存じでしょうか。学校の授業やテストのために丸暗記した方も多いと思います。しかし、その特徴や違いについてはあまりご存じないのではないでしょうか。今回は鎌倉新仏教の特色や6つの宗派の特徴について見ていきます。
鎌倉新仏教とは?
仏教は、奈良時代に聖武天皇が政治に取り入れたことで広まりました。平安時代には唐に留学していた空海と最澄がそれぞれ真言宗と天台宗を開き、日本の仏教に大きな影響を与えました。平安時代は富士山の噴火や大規模な地震、感染症、飢饉など自然災厄が非常に多く起こったため、庶民の間では「末法思想」というものが生まれました。
末法思想というのは、釈迦の入滅後、正しい教えが失われ最悪の世となるという一種の終末思想です。そんな中で仏の世界(死後)に憧れる浄土信仰が広がったのです。そこで、庶民でも信仰しやすい鎌倉新仏教が生まれました。
鎌倉新仏教は主に6つあります。
①浄土宗:法然
②浄土真宗(一向宗):親鸞
③時宗:一遍
④日蓮宗:日蓮
⑤臨済宗:栄西
⑥曹洞宗:道元
それぞれの特徴について見ていきましょう。
鎌倉新仏教の特徴とは?
鎌倉新仏教の特徴としては、「信仰しやすさ」があります。・易行:簡単な修行方法
・選択:1つの修行方法を選ぶ
・専修:選んだ修行方法を全うする
①浄土宗:法然
浄土宗は比叡山の延暦寺で修行した法然によって開かれました。浄土宗の特徴は「念仏」です。いわゆる「南無阿弥陀仏」を唱えることで往生できると説きました。
②浄土真宗(一向宗):親鸞
浄土真宗は法然と動揺に比叡山延暦寺で修行した親鸞によって開かれました。浄土真宗は一向宗とも呼ばれます。
親鸞は「悪人正機説」を唱え、人間はもともと欲深い生き物(悪人)であるから、悪人こそ救われるべきだという考え方を示しました。ただ、ここでいう悪人というのは、悪いことをした人を指すのではなく、煩悩を捨てきれないことを自覚した人のことを指します。
③時宗:一遍
時宗を開いた一遍も彼らと同様に比叡山延暦寺で仏教を学びました。一遍は全国を回りながら、「踊り念仏」を庶民の間で広めました。踊り念仏を行う様子は社会の教科書などでも見たことがあると思います。
④日蓮宗:日蓮
比叡山延暦寺で修行した日蓮ですが、提唱したのは「題目」でした。題目とは、「南無妙法蓮華経」のことを指します。
「法華経を信じなければ日本は他国に攻められる」と、政府を脅したとして、日蓮宗は制裁を受けたこともあります。
⑤臨済宗:栄西
禅宗として括られる臨済宗ですが、開祖は比叡山延暦寺で仏教を学んだ栄西です。
栄西は宋に留学し、帰国した後に臨済宗を開きました。臨済宗では坐禅を組みながら禅問答を行うという修行方法をとります。簡単にいうと、指導者が修行者に対して言葉がけを行うというものです。栄西は日本に初めてお茶を伝えた人物としても知られています。
⑥曹洞宗:道元
曹洞宗の道元も栄西と同様に比叡山延暦寺で修行した後、宋に留学しました。
曹洞宗も禅宗の一派ですが、臨済宗との大きな違いは「只管打坐」です。臨済宗のように禅問答を行わず、ひたすら坐禅を組むというのが曹洞宗の修行方法です。
おわりに
いかがだったでしょうか。鎌倉新仏教の主な宗派の開祖が、全員比叡山の延暦寺で仏教を学んだというのは興味深いですね。比叡山延暦寺は天台宗の最澄によって開かれた寺です。そのように考えると、平安時代から流れを汲んでいることが分かります。その後、比叡山延暦寺は織田信長とも対立するほど力をつけます。このように歴史の流れを追っていくと面白いことが分かるかもしれません。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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