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奈良市にある第一次大極殿、復原事業情報館の魅力をご紹介
- 2022/01/31
1、平城宮、第一次大極殿の概要
平城宮とは、710 年に藤原京から遷都する際に造営された宮殿であり、唐(当時の中国) の都である長安城を真似して造営された宮殿です。平城京第一次大極殿は、正面 44 メートル、側面約 20 メートルの朱色の柱を 44 本、屋根の瓦を約9万 7000 枚使用しており、平城京最大にして、絢爛豪華な宮殿です。この場所で外国の使節の対応 や、天皇の即位式が執り行われたと考えられています。
しかし、30 年ほどで恭仁京に遷都したと同時に移築され、第一次大極殿は山城国の国分寺の金堂 として造営されることなりました。
平城宮は 1978 年の「特別史跡平城宮保存整備基本構想」に則って、遺跡全体を博物館と して整備・活用が行われています。2010 年に平城京遷都 300 年目記念に第一次大極殿の 復原が完了し、圧倒的な存在感を放っています。
現在では第一次大極殿の南門の復原工事 が実施されており、荘厳な雰囲気を醸し出しています。
※平城京第一次大極殿 南門
2、復興事業情報館の概要・おすすめ展示品
平城京第一次大極殿の復原の工程が、平城京第一次大極殿の近隣に所在する、復興事業情報館で展示されています。※平城京第一次大極殿・復興事業情報館
情報館の様子としては、工事の際に使用された道具類 が展示されています。さらに、復原の工程が CG で迫力満点に紹介されているシアタール ームや、200 分の1スケールの第一次大極殿の模型、瓦づくりや木組みが体験できるコーナ ーなど、見学または勉強できる場所がかなり多くあります。
入館料は無料であり、楽 しくお得に平城宮の造営当時の様子を学ぶことができるため、古代史好きな方におすすめしたい情報館です。どのコーナー、展示物も印象的ですが、個人的に一番印象に残ったものが、等身大の 「鴟尾(しび)」の模型です。
※鴟尾の模型
「鴟尾」とは格式高い建物の棟の両端を飾る棟飾りであ り、飛鳥時代から造られていました。
この鴟尾のすごいところは、高さ2メートルで、金箔を使った漆箔が用いられていることから、かなり豪華で迫力満点であるところももちろんですが、実は、平城宮には鴟尾は出土しておらず、各地域で出土した鴟尾を参考に復原しているところです。さらに現存していない事実を踏まえて、残りにくい青銅が素材として使われています。
つまりこの鴟尾は、平城宮の復原だけではなく各地域の調査結果の集大成でもあり、ひとつ見ただけでも、当時、各地域の寺院や宮殿にあったであろう鴟尾を、鮮明にイメージすることができます。
参照・引用
パンフレット
展示パネル
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