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2020年にリニューアルオープンした釈迦堂遺跡博物館(山梨県笛吹市)
- 2022/06/06
釈迦堂遺跡博物館は、中央自動車道の下り線の釈迦堂パーキングエリアに隣接する歴史スポット。PAに自動車を駐車したまま専用階段を上っていくと、歩いて2分で辿り着くことができる。周囲には桃畑が多く、眺望のよさも魅力の1つ。桃の花が一面じゅうたんのように広がる場所なので、春の歴史ドライブにもおすすめだ。
山梨県甲州市・笛吹市にある釈迦堂遺跡群は、中央自動車道を建設する際に発見された遺跡であり、縄文時代を中心に旧石器時代から平安時代までの遺構が見つかっている。ここからは30トンにも及ぶ土器や土偶が出土しており、そのうち5599点は国の重要文化財に指定されている。出土は土偶だけでも1116点にのぼり、1遺跡からの出土数としては、青森県の三内丸山遺跡に次ぐ日本有数の出土数だとされる。
このあたりの八ヶ岳を中心とした中部高地には縄文時代の黒曜石鉱山があり、国宝「土偶(縄文のビーナス)」(棚畑遺跡・長野県茅野市)、国宝「土偶(仮面の女神)」(中ッ原遺跡・長野県茅野市)、国指定重要文化財「土偶(子宝の女神ラヴィ)」(鋳物師屋遺跡・山梨県南アルプス市)、国指定重要文化財「人体文様付有孔鍔付土器」(鋳物師屋遺跡・山梨県南アルプス市)など、特徴ある縄文土器や土偶が多く出土。「星降る中部高地の縄文世界」として文化庁の日本遺産にも認定されている地域だ。
釈迦堂遺跡の出土品を展示する釈迦堂遺跡博物館は、2020年6月にリニューアルオープン。常設展示室に入ると、まず明るく、光に包まれているようにきれいな空間が印象的だ。ミュージアムは少し薄暗いものというイメージを覆す空間にきっと驚くことだろう。
常設展示では、縄文前期7点、縄文後期1点を含む釈迦堂遺跡出土の土偶1116点のすべてを展示しており、その顔は1点1点違った表情をしている。また、大きな土器に施された文様の巧みさが際立っており、美しい造形の水煙文土器や母と子を想像させる人体文土器、使用法が気になる釣手土器など、大きなものから小さなものまでずらりと展示されている様子に圧倒される。
館内は写真撮影もOKということで、造形としても魅力的な水煙文土器を撮影してみた。光の反射に包まれて、文様が水煙のように見えるだろうか。
受付で販売されているどんぐり入りのクッキーは、土偶の顔形をしているのもユニークだ。どんな味なのだろうと思ったが、口にするとしっとりしていておいしかった。
※販売されていたどんぐり入りのクッキー
◆釈迦堂遺跡博物館
山梨県笛吹市一宮町千米寺764
▼参考
釈迦堂遺跡博物館ホームページ
http://www.eps4.comlink.ne.jp/~shakado/index.html
日本遺産ポータルサイト
https://japan-heritage.bunka.go.jp/ja/stories/story061/index.html
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