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全国で祀られる謎だらけの神様、アラハバキとは?
- 2025/01/23
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アラハバキとは、出雲の神様よりも更に古い時代から、信仰を集めてきた日本の神様の一柱です。大和朝廷に追われた人々が信仰する神様であったり、縄文時代の神様だとか、唱えられる説もあまりに多く、まさに謎だらけの神様なのです。
アラハバキとは?
アラハバキは庶民の間で信仰される神様です。東北地方を中心に広まった、民間信仰的な神様だと言えるでしょう。古くから存在している神様で、「アラバキ」とも呼ばれ、信仰の厚い東北地方を始めとしてアラハバキを祀る神社は全国に点在しています。アラハバキを祀る神社は、基本的には主祭神として祀っています。しかし客人神として祀る神社も少なくありません。別の場所からその土地にきて、祀られた神様を示します。
ちなみに客人神と書いて「まろうどがみ」と読みます。しかし、この客人神というのはなかなかに厄介な存在で、出雲や大和などの有名な神様が入ってくると、元の地主神を追い出して自分が真の地主神として居座ってしまいます。地元で信仰を集めていたアラハバキも有名な神様にはその場所を譲ってしまったのでしょうか。
起源の謎
アラハバキの起源などといった多くのことがわかっていません。『日本書紀』や『古事記』に登場しないこともあり、記紀以前から信仰されていた土着の神と考えられています。アラハバキを漢字で「荒脛巾」と書くことも多く、脛の字は足のすねに当てはまり、そこから足の神様とされて、さらに下半身の神として祀られるようになりました。そのため、脚絆・靴・男性器などをかたどったものが奉納されているそうですよ。
アラハバキには各々の地域で様々な漢字があてはめられていますが、その数は半端じゃありません。それに神徳や伝承などもいろいろで、今でも謎多き神として知られています。
アラハバキの諸説
アラハバキに関してはたくさんの説があります。それだけ全国の庶民の間に浸透していた神様だともいえますよね。その多くの説から3つばかりを紹介します。アラハバキという名前が蛇神を表しているという説があります。蛇の古語は「ハハ」とされ、「ハハキ」というのは「蛇木」を指しているそうです。蛇のような幹の元で祭事を行うなど、日本では遠い昔から蛇を神様として祀っています。
伊勢神宮の中には、矢乃波波木神(やのははきのかみ)という箒(ほうき)神が祀られています。「ホウキ」は「ハハキ」から転じたものとされ、蛇との関係が深い箒神は蛇神様とされているのです。波波木神が顕れることから、顕波波木神(アラハバキ)となるのでアラハバキは蛇神様だという説ですね。
そして製鉄の神だという説もあるのです。その根拠として、アラハバキを祀った神社の近くには砂金や砂鉄の産地が多いそうです。また、アラハバキが客人神に変化した場合、片方の目だけで表現されることも多いとか。これは製鉄の神の特徴と一致するとされています。
この他、塞の神(さいのかみ)説というのもあります。塞の神とは、悪霊や疫病などが侵入してくるのを防ぐため、境界に祀られる神です。
ミステリアスな神様
アラハバキの起源や歴史については様々な説があり、神徳も表記も祀ってある地域によって違います。こうした点で見ても、地元に根ざした神様で地元の皆さんでいろいろと創り上げられてきたということがわかりますね。これといった確証のようなものがないミステリアスな神様なんですね。
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