戦国時代の地理区分(令制国)と年号(和暦)を知ろう!
- 2017/11/23
戦国史を読みすすめていても、なかなかスッと頭に入ってこない…。それはもしかしたら、歴史にはいつ(=年号)、どこで(=地名)の2つが最も頻出するのに、あまり馴染みがないせいかもしれません。
さらに登場人物や出来事もたくさんあるし、組織や人間関係もよくわからないんだから、もうお手上げ状態…。
せめて戦国時代の年号と地名。この2つをざっくりでも覚えれば、少しは戦国史への抵抗感も減るかもしれません。ということで、本記事では戦国時代の年号(和暦)と地理区分(令制国)についてみていきます。
令制国と都道府県との比較
まずは戦国時代の日本地図をみてみましょう。
上記のマップ(※出典:世界の歴史まっぷ) をみると、現在の都道府県と戦国時代の地理区分がどのように対応しているかが、よくわかります。
歴史の授業のおさらいになるかもしれませんが、令制国(りょうせいこく)というのは、昔の日本の律令制に基づいて設置された地方行政区分であり、奈良時代から明治初期までの日本の地理的区分の基本単位を指します。
都道府県が47あるのに対し、戦国期の令制国は70近くに分けられているように、その数や境界線が一致するワケではない点に注意しましょう。
例えば、織田信長や羽柴秀吉の出身地である尾張国と、徳川家康出身の三河国なんかは、同じ愛知県にあたるし、四国の4国(阿波・讃岐・伊予・土佐)などは、そのまま現在の四国の4県に該当します。
以下は、都道府県と令制国の対比一覧です。
五畿七道 | 国(該当する都道府県) |
---|---|
畿内 |
|
東海道 |
|
東山道 |
|
北陸道 |
|
山陰道 |
|
山陽道 |
|
南海道 |
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西海道 |
|
一覧を眺めてみると、「あ、これは知ってる。」なんてのも多かったのではないでしょうか。ちなみに現在の首都は、徳川家康が江戸幕府を開き、政治の中心地として発展した "東京" ですが、戦国時代の首都は "京都" にあたります。
年号と西暦の比較
さて、次は戦国史の年号についてみていきましょう。
着目すべき点は主に2つ。一つは閏月の存在、そしてもう一つは改元の多さです。
そもそも戦国史では一般に和暦が多用されます。
というのも、西暦が日本に伝わったのは16世紀ですが、実際に使用されたのは明治時代に入ってからです。
戦国当時の暦は、現在の太陽暦ではなくて、「太陰太陽暦」というものを用いていました。
「太陰太陽暦」は、月の満ち欠けの周期を利用した「太陰暦」を元に、太陽の動きも考慮された暦です。
月の周期は月29.5日で、1年に置き換えると354日ですが、太陽の周期は365.25日であることから、日数にズレが生じえしまいます。このズレを調節するため、2~3年に1度は、閏月(うるうづき)という月を足して「1年=13ヶ月」の年が作られます。
戦国時代に使用された太陰太陽暦は、この閏月を要チェックです。
また、改元についてですが、室町~戦国期のわずか200年の間に何度も実施されています。現在では元号法により、皇位の継承があった場合に限り、改元されますが、戦国当時は病の流行や不吉な出来事などを理由に頻繁に改元されていたようですね。
一応、以下に元号一覧をざっくり載せましたのでよかったら確認してください。
西暦 | 年号 | 主な出来事 |
---|---|---|
1429 - 1441 | 永享(えいきょう) | 永享の乱 |
1441 - 1444 | 嘉吉(かきつ) | 嘉吉の乱 |
1444- 1449 | 文安(ぶんあん) | |
1449- 1452 | 宝徳(ほうとく) | |
1452- 1455 | 享徳(きょうとく) | 享徳の乱 |
1455- 1457 | 康正(こうしょう) | |
1457- 1461 | 長禄(ちょうろく) | |
1461- 1466 | 寛正(かんしょう) | |
1466- 1467 | 文正(ぶんしょう) | |
1467- 1469 | 応仁(おうにん) | 応仁の乱 |
1469- 1487 | 文明(ぶんめい) | 山城国一揆 |
1487- 1489 | 長享(ちょうきょう) | 長享の乱 |
1489- 1492 | 延徳(えんとく) | |
1492- 1501 | 明応(めいおう) | 明応の政変 |
1501- 1504 | 文亀(ぶんき) | |
1504- 1521 | 永正(えいしょう) | 永正の乱 |
1521- 1528 | 大永(だいえい) | |
1528- 1532 | 享禄(きょうろく) | |
1532- 1555 | 天文(てんぶん) | 天文の乱 |
1555- 1558 | 弘治(こうじ) | |
1558- 1570 | 永禄(えいろく) | 桶狭間の戦い、永禄の変 |
1570- 1573 | 元亀(げんき) | 姉川の戦い、比叡山焼き討ち |
1573- 1593 | 天正(てんしょう) | 本能寺の変、賤ヶ岳の戦い |
1593- 1596 | 文禄(ぶんろく) | 文禄の役 |
1596- 1615 | 慶長(けいちょう) | 慶長の役 |
改元が多すぎて記憶には残りにくいですが、「応仁の乱」などのように、広域の合戦や政変などの名称に元号が使われているので、そうした点に着目して覚えるといいかもしれないですね。
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