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宇治に佇む古刹・興聖寺に残る源氏物語の伝説

 宇治は京都第二の都市と言われる場所。古くから栄えていて、10円硬貨に描かれている「平等院(鳳凰堂)」や世界遺産の宇治・宇治上神社などみどころもたくさんあります。平安時代の有名作品・源氏物語のモデルにもなった場所であり、今でもその伝説が残る場所でもあります。

 今回はそんな宇治の中で古刹として有名な「興聖寺」とそこに残る源氏物語の伝説をご紹介していきます。

興聖寺とは?

琴坂で有名

 興聖寺というとまず「琴坂」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。宇治川沿いから興聖寺へ向かう参道にあたる琴坂は、春は新緑のトンネル、秋は紅葉の名所が美しい場所として知られています。

 宇治では有名な観光スポットですが、一方で宇治観光と言えば平等院や賑わう参道、そして宇治・宇治上神社といったスポットを巡るのみ…という方も多いかもしれませんね。また琴坂に来たことはあるけどその先の興聖寺までは行っていない…という方もいるのでは?興聖寺は修行道場でありながら、中に立ち入ってお詣りできる寺院なのでぜひこの機会にチェックしてみて下さい。

歴史ある古刹

 興聖寺は”禅”で知られる曹洞宗の最初の寺院として建立されたといいます。いったんは廃絶しましたが宇治に再興され、現在でも現役の修行道場として使われているそうです。

 そんな歴史ある興聖寺ですが、境内には見どころがたくさんあります。坐禅のためにつくられた部屋で坐禅を体験できたり、茶筅(ちゃせん・茶道の道具)を炊き上げる茶筅塚など宇治ならではのスポットもあるそう。巡ってみると、興味深い仕掛けがたくさんあるようです。

宇治十帖に関するスポットも

 興聖寺の境内は、御本尊以外にも観音像がいくつも安置されています。その中でも平安時代の中後期に彫造された「木造聖観音立像」は、かつて源氏物語「宇治十帖」の古跡「手習の杜(てならいのもり)」に祀られていたもの。そこから「手習観音(てならいかんのん)」と呼ばれて親しまれているのだとか。

 この「宇治十帖」は少し悲しいお話です。浮舟が入水自殺をはかり、しかし死にきれず横川の僧都に助けられた、というエピソード。終盤のエピソードですが、その中に「手習の杜」が登場します。手習観音は当時から多くの人が見に訪れ、大事にしてきた観音さまです。

 実際に拝見できる機会もあるようなので機会があればぜひ見てみて下さい。


源氏物語ゆかりの地・宇治

 宇治には源氏物語関連の史跡やエピソードがたくさん残っています。舞台になったのは終盤ですが、紫式部にとって宇治と宇治川、その周辺の光景はなくてはならないものだったのかもしれません。興聖寺もそのひとつ。宇治には「源氏物語ミュージアム」もあり、ファンにはとても興味深いスポットがたくさんあるのでぜひ一度巡ってみて下さい。

<参考>

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  この記事を書いた人
ゆかた さん

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