江戸時代から甦れ「伊豆八十八ヶ所霊場」
- 2022/08/15
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【投稿】戦ヒス編集部
第88番札所 修禅寺
日本の歴史や文化を楽しむ「お遍路」が江戸時代から伊豆半島にありました。総行程444km(4が合わさり、シ・アワセお遍路)の壮大なスケールの御朱印集めの旅をお楽しみください。
◆伊豆八十八ヶ所霊場の発見◆
伊豆の八十八ヶ所霊場の発見は、昭和50年代に第28番札所の大江院から明治時代の納経帳が見つかった事から、伊豆観光霊跡振興会(現在の伊豆霊場振興会)が発足し調査が始まりました。
第6番札所の金剛寺からは、やはり明治時代の全札所が彫られている木版や、札所からご本尊が彫られている木版が見つかり、明治20年代には、多くの参拝者が訪れていた事が伺えます。
そして、伊豆霊場振興会の第四代会長として調査をして発見したのが、第21番札所の龍澤寺の参道に「伊豆八十八ヶ所霊場参拝」と書かれた、天保十三年(1842年)の石碑がありました。更に第49番札所の太梅寺から第50番札所の玄通寺に向かう参道が埋もれて見つかっていませんでしたが、調査により発見する事が出来ました。
動力(電車や車)や通信インフラが無い江戸時代に、誰がどうやって伊豆に八十八ヶ所霊場を作って、しかも、多くの人たちが参拝していたと思われますが、どうやって伊豆八十八ヶ所霊場を広めたのか・・・。
第81番札所 宝蔵院
◆全国の八十八ヶ所霊場◆
いわゆる「お砂踏み」と呼ばれている、四国の札所(寺院)を石仏等に見立てて、疑似体験が出来る巡礼地は全国に幾つもあります。札所(寺院)と呼ばれている寺院が出迎えし、お遍路さんが納経した証として納経印を頂けるのが霊場と呼ばれています。
江戸時代からある由緒正しい霊場は、本場四国と愛知の知多半島、そして関東では伊豆半島にありますが、残念ながら戦後まもなく、いずれの霊場も衰退しました。
本場四国では昭和の初めに伊予鉄道が復興に貢献して、コロナ前には年間十五万人以上が参拝していました。知多半島は、平成になってから、名古屋鉄道が復興に一役買って年間五万人以上が参拝しています。
伊豆八十八ヶ所霊場は、参拝者は年間数十人程度なので復興していません。これから多くの方が参拝する事で復興する事を願っています。
◆江戸時代からある霊場の魅力◆
江戸時代からある霊場は、江戸時代の主要道路が遍路道となっていた為、現在の鉄道や国道が整備されていない、古道を繋いでいます。
だいぶ朽ちてしまってた道もありますが、伊豆の札所をつなぐ道を歩いて辿ると、江戸時代の風情を感じる事が出来ます。
◆信仰と宗教の違い◆
信仰とは、人間として本能から出てくる感情であり、異性を好きになる事や、子供を愛おしく思う気持ち、お母さんを大事にしたいと思う気持ちなどです。神社では、その気持ちを祈願する場所で、心願成就した時には、神様に「感謝」を伝えに行く場所です。
宗教とは、人間がどうやって生きていくか等の教義を体系的に学ぶ事だと感じています。私は入門した事はありませんが、生きる価値観は人それぞれなので、宗派が分かれている事もうなずけます。
【信仰は内側からの本能で、宗教は外側からの学び。】
全く違いますが、表裏一体ですし、信仰の延長線上に宗教があるように思えます。お遍路の始まりは「信仰」の始まりだと感じています。
◆お遍路の楽しみ方◆
昨今のお遍路は、難しいイメージがあるかもしれませんが、信仰とは難しい事ではありません。
【最初は「大切な人の幸せを願う」事で十分だと思います。】
日常生活では、なかなか、心を静かにして「大切な人の幸せを願う」機会などございません。参拝する事で、他人の幸福と自身の幸福が重なった時、心から癒される事と感じています。
誤解が多いのですが、お遍路は寺の行事でも無く修行でもありません。寺院の行事は本堂にあがり、ご住職が読経しますが、お遍路は本堂に上がらずに参拝する事が作法とされています。
◆お遍路の醍醐味◆
1.大自然に癒される。
本場四国もそうですが、伊豆でも大自然の中を旅する事になります。歩きはもちろんの事、車やバスであっても、寺院の参道や境内には大自然が残っています。大自然の中に身体を委ねるだけで、心と体が癒されます。
2.日本を好きになる。
江戸時代から続く「お遍路」ですが、最初は弘法大師(空海)を慕って信者が参拝した事から始まりました。日本の寺院には、ご先祖様達の功徳が眠っています。それを感じるだけで日本を好きになる。
3.花鳥風月を楽しむ。
旅行は「わくわく」するものです。旅先での、いままで見たことない絶景や、人とのふれあい、珍しい食事や土産など、昔から旅は人々を魅了して来ました。感動する事で人は「幸せ」を感じるもの。
【人生の主役は貴方、さあ、一緒に楽しみましょう!「伊豆88遍路」の旅]】
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