なぜ、被爆者たちは切り捨てられたのかーー。広島原爆による「黒い雨」訴訟の全容を記録した、初のノンフィクション。『「黒い雨」訴訟』(小山美砂・著/集英社新書)が7月15日(金)発売

原爆投下直後、広島に降った「黒い雨」。多くの被ばく者がその放射線を帯びた雨による深刻な健康被害に苦しめられていながら、「被爆者」と認めて救済する制度はなかったのです。雨を浴びた住民らは国に援護を求めて訴訟提起したものの、解決までの道のりは長く険しいものでした。なぜ、国はその「黒い雨被爆者」を切り捨てたのでしょうか――。

本書は、原爆報道に携わるべく自ら広島支局への配属を希望した毎日新聞の記者が、当事者の歩みをたどるとともに、米軍の被害軽視に追従した国の怠慢、非科学的な態度をあぶり出していきます。

戦後70年以上を経て、ようやく語られ始めた真実の数々。「黒い雨」による被ばく問題、その訴訟の全容を記録した初めてのノンフィクションです。

【書籍概要】
書籍タイトル:『「黒い雨」訴訟』
著者:小山美砂
発売⽇:2022年7⽉15⽇(金)
定価:1,056円(10%税込)
判型:新書判
ページ数:256ページ
集英社新書
ISBN 978-4-08-721222-8

【目次】 序章 終わらない戦後
1章 ”降らなかった” 黒い雨
2章 選別される被爆者
3章 雨が「卵形」に降るか!
4章 「黒い雨」訴訟
5章 私たちは、嘘はつけないの
終章 切り捨てられる被ばく

※本書では「被爆者」や直接被爆など、原爆による被害を表す用語として定着しているものは「被爆」と表記する。他方、放射線の影響に関する話を展開する時には「被ばく」と表記する。「黒い雨被ばく」との表記は、黒い雨を浴びたり飲んだりして放射線の影響を受けたという曝露様態について論じたい時に用いる。(本書より)

【著者情報】
●小山美砂(こやま みさ)
毎日新聞記者。1994年、大阪府生まれ。2017年に入社し、希望した広島支局に配属。被爆者や原発関連訴訟の取材に取り組んできた。

原爆報道キャップとなった2019年秋から、当事者の証言や思いを伝える連載「区域外の被爆者を訪ねて『黒い雨』の原告は訴える」(毎日新聞)を開始。以降、100人近くへの取材を通して被爆者援護の課題を発信してきた。2022年4月~大阪社会部在籍。

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