「歴史的なあの事件」は本当に教科書どおりに起こったのか? いや、私はこう考える――。
周防柳『小説で読みとく古代史 神武東遷、大悪の王、最後の女帝まで』が、NHK出版より3月10日に発売します。
歴史を題材にした小説作品に定評のある著者が、松本清張、井上靖、邦光史郎、黒岩重吾、永井路子ら往年の大作家から、澤田瞳子、坂東眞砂子、さらには諸星大二郎、安彦良和ら漫画家まで、彼らが自作で展開した諸説を紹介しながら、自らも事件の背景や人物像を考察します。学校では絶対に教えない、スリリングな古代史入門書として。また、上質な古代史小説ガイドとしても楽しめる一冊です。
本書は、2~3世紀の邪馬台国から8世紀の平城京の時代までを大きく6つに分け、その時代を題材にした文芸作品をピックアップ。だれもが日本史の授業で学んだことのある歴史上の“あの出来事”を、作家たちはどのように解釈し、描いてきたのか? その作品世界を丁寧に掘り下げながら、著者・周防柳自身も独自の考察を繰り広げます。古代史小説を愛する著者とともに、作品を深読みする楽しさを十二分に味わうことができる、歴史ファン、ミステリーファンにもおすすめの一冊です。
巻末には「古代史小説ライブラリー」を収載。あまたある古代史小説の名作たちを、舞台となる年代ごとに掲載しています。
▼『小説で読みとく古代史 神武東遷、大悪の王、最後の女帝まで』
目次
第一章 邪馬台国は二つあったか――大和と筑紫の女王卑弥呼
第二章 神武は何度東遷したか――記紀神話と初期大和政権
第三章 応神天皇はどこから来たか――河内王朝と朝鮮半島
第四章 大王アメタリシヒコとは何者か――馬子と推古と厩戸皇子
第五章 天智と天武は兄弟か――対立から見た白村江、壬申の乱
第六章 カリスマ持統の狙いは何か――不比等と女帝たちの世紀
参考文献
古代史小説ライブラリー(神話世界~8世紀奈良時代)