全集刊行後に発見された重要資料を多数収録した新書籍 「清沢満之全集 別巻Ⅱ」 3月26日から発売
- 2021/03/23
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【投稿】戦ヒス編集部
株式会社岩波書店(東京都千代田区)は、近代化に向かう明治期の日本において、仏教の危機的状況に敢然と立ち向かった思想家であり大谷大学の初代学長 清沢満之の著書「清沢満之全集 別巻Ⅱ(全2冊)」(大谷大学=編)を3月26日(金)から全国の書店で発売します。
清沢満之(1863-1903年)は、厳格な哲学的思考と類まれな求道的実践とによって、仏教の縁起論を有限・無限の関係として構想し、親鸞の他力門の信念を基礎づけた哲学者であり、明治期の精神界に大きな影響を与えました。
没後100年を期して刊行された「清沢満之全集」(全九巻、2002-2003年)から18年の間に、新たに清沢の著書と認められた文献、講義録、新出書簡等を、2020年3月に発売された別巻Ⅰとともに収録しています。
【別巻Ⅰ 目次】 2020年3月27日発売
哲学史講義
Ⅰ 古代哲学史
Ⅱ 中古哲学史
Ⅲ 近世哲学史
【別巻Ⅱ 目次】 2021年3月26日発売
Ⅰ 論理学講義
Ⅱ 心理学講義
Ⅲ 哲学史
Ⅳ 近代史
Ⅴ 今世哲学史
Ⅵ 刊行物掲載論文
Ⅶ 書籍補遺
Ⅷ 「The Skeleton of a Philosophy of Religion. (草稿)」
別巻Ⅰでは、本学第8代学長・住田智見の所属寺院(名古屋市 真宗大谷派祐誓寺)に所蔵されていた、清沢満之の講義録「古代哲学史」・「中古哲学史」・「近世哲学史」を収めています。清沢満之が真宗大学寮専門本科にて3学年にわたって講義した哲学史の内容を、住田が詳細に筆録したもので、明治22年10月から23年6月、23年9月から24年1月、24年2月から25年6月の3つの講義録となっています。
別巻Ⅱでは、清沢満之の講義録、論考7本、書簡18通、および「The Skeleton of a Philosophy of Religion.(草稿)」を収めています。講義録は、祐誓寺所蔵の住田による筆記本「論理学講義」・「心理学講義」、および本学第11代学長・関根仁応の所属寺院(新発田市 真宗大谷派長徳寺)に所蔵されていた筆記本「哲学史」「近代史」「今世哲学史」を翻刻し、収録しています。
今回新たに収録される7本の論考、「開化ト心理」「学問ト宗教トノ関係」「啓成ノ原基」「転化の観念」「精神的三要」「無上大法」「世界の進み(二)」は、明治23年から27年にかけて発表されました。
「The Skeleton of a Philosophy of Religion. (草稿)」は、明治25年に刊行された満之の著書『宗教哲学骸骨』を野口善四郎が一度英訳したものを基に、清沢自身が新たに訳した際の推敲を記した草稿であり、清沢満之の所属寺院(碧南市 真宗大谷派西方寺)に所蔵されていた自筆原稿を翻刻し、収録しています。
なお別巻Ⅱにつきましては、藤田正勝京都大学名誉教授による別巻Ⅰ・Ⅱを通した解説を収録しています。
【清沢満之全集 別巻Ⅰ・Ⅱ】
出版社:岩波書店
【別巻Ⅰ】
A5上製函入 430頁 定価6,600円+税
ISBN978-4‐00‐092619‐5
【別巻Ⅱ】
A5上製函入 446頁 定価7,400円+税
ISBN978-4‐00‐092620‐1