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新選組は京都だけじゃなく大阪でも活躍していた!知られざる大阪屯所・萬福寺

新選組というと京都で活躍したイメージが強いですが、実は大阪にも屯所があり、そこを起点として大阪でも活動していました。大阪の屯所は天王寺区の萬福寺にあります。

今回は新選組の大阪での活動に焦点を当ててみていきたいと思います。

大阪の屯所はどんなところ?

新選組の大阪の屯所は、
・大阪市天王寺区下寺町:萬福寺
・大阪市中央区天満橋京町:京屋忠兵衛
のふたつであったといわれています。また、萬福寺の裏にある大宝寺も、新選組の宿舎に使われていたと言われています。

新選組が大阪入りするきっかけとなったのは、慶応元年(1865年)に徳川家茂が大阪城に入ったことで警護や治安維持をすることが必要になったから。

屯所は宿泊所という意味で、場所は幕府側から指定されたようです。本格的に使っていたのは萬福寺の方で、京屋忠兵衛は宿屋だったため屯所というよりは定宿といったような意味合いが強かったようです。

京屋忠兵衛は現存しておらず、跡地には別の建物が建っているのですが、萬福寺は今でも当時の面影を残したまま残っているので訪れてみました。

萬福寺を訪れる

松屋町筋に面しており、かなり広い敷地を誇る萬福寺。この辺は本当にお寺が多く並んでいます。区画丸ごとお寺なので、どこがどのお寺か確認しなければ間違えてしまいそうなほどです。

本堂は一度火災で全焼しており、建て替えされているそうです。

当時、隊士たちがいたのは本堂ということなので、そちらは失われていますが、山門は当時と同じものが現存しています。新選組もこの山門を通って出入りしていたのでしょうか。

残念ながら萬福寺の中に入ることはできません。中にある庫裏(くり)は当時のものだといいますが、外からは確認することはできませんでした。

石碑もあるためわかりやすいです。「新選組 大坂旅宿跡」とあります。

新選組は大阪でどんな活動をしていた?

出入りしていた隊士は?

萬福寺の本堂で、七番隊を中心に約20~30名が活動していたといいます。滞在したことがあるメンバーとしては、六番隊隊長・井上源三郎、七番隊隊長・谷三十郎、谷万太郎、山崎蒸、谷周平(近藤周平)、九番隊隊長・鈴木三樹三郎らの名前が記録されています。

また、一番隊隊長・沖田総司も萬福寺の屯所に滞在していた可能性が高いといわれ(手紙の内容に記述があるそうです)、局長や副長など重要役職メンバーも出入りしていた可能性もあります。

新選組が大阪でかかわった事件

新選組は当時大阪で起こった事件いくつかに関与しています。

・力士乱闘事件(1863年7月18日)
屯所が置かれる前の事件。新選組(当時は壬生浪士)と酔った力士が遭遇し、乱闘など一悶着がありました。その後、新選組が北新地で酒宴を楽しんでいたところに力士が大勢復讐のため押しかけ、死者も出る乱闘騒ぎになったといいます。

・内山彦五郎暗殺事件(1864年6月23日)
内山彦五郎は大坂西町奉行組の与力で、大阪で斬られ暗殺されました。当時から新選組の仕業であるとの噂はあり、前年の力士乱闘事件からの因縁があったという説や、大阪に不正を働く与力がおり、天誅として粛清されたのではないかという説があるそうです。しかし現在でも新選組が犯人であるという確証はないということです。

・ぜんざい屋事件(1865年2月3日)
土佐勤王党の残党ら(そのうちぜんざい屋を構える浪士がいた)が、大阪の街に火を放ちその混乱に乗じて大坂城乗っとりを計画をたてていました。察知した新選組隊士らがぜんざい屋を襲撃したもののほぼ成果はなく、残党は逃してしまったといいます。

・藤井藍田捕縛惨殺(1865年5月26日)
大阪で私塾を開いていた藤井藍田が、長州志士と討幕を企てていたという容疑で、新選組に捕縛・惨殺された事件です。大阪屯所・萬福寺に幽閉され、拷問を受け死亡したと言われています。

例えば池田屋事変でも拷問事件がありましたが、その後志士を討ち取り放火を未然に防ぐという成果を上げています。それに対しこの事件ではその後特に何が起こったということもなく、本当に長州志士と交流があったのかも不明であるため、少し違和感を感じる事件になっています。

まとめ

新選組と大阪の事件についてまとめてみました。今では人気の新選組ですが、当時は血なまぐさい事件に関与もしていたりしましたね。

大阪での活動は知名度は低いのですが、大阪にも新選組関連の史跡はあるので、お好きな方は訪れてみてはどうでしょうか。

【参考文献】
・子母澤寛「新選組始末記」
・永倉新八「新撰組顛末記」

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  この記事を書いた人
ゆかた さん

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