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最強の女性剣士・千葉佐那 婚約者だった坂本龍馬への思いとは
- 2023/09/11
千葉道場主を張っていた千葉定吉の次女・千葉佐那は、なんと14歳にして北辰一刀流小太刀の免許皆伝となった強者であり、長刀師範でもあるんです。まさに剣豪と呼ぶべき女性武芸者ですね。さらには、宇和島藩藩主伊達家のお姫様の武芸指南役でもあった千葉佐那は、実はあの坂本龍馬の婚約者でもあったのです。
14歳で北辰一刀流免許皆伝
千葉佐那は、千葉周作の弟にあたる千葉定吉の次女として生まれました。江戸時代末期に誕生した剣術流派で、江戸3大道場の一つとしても有名な「玄武館」を起こしたのが千葉周作。兄周作と同じく、千葉定吉も北辰一刀流の千葉桶町道場の道場主でした。桶町は、現在でいうと東京駅前あたり。今でいう東京の一等地に千葉桶町道場はありました。千葉佐那は、幼少の頃から剣術に没頭しています。父の教えもあって、なんと14歳で免許皆伝者となるんです。特に小太刀が得意でしたが、長刀も師範の腕前でした。佐那には兄がいるので道場の後継者になる必要はありません。ですので免許皆伝者佐那の腕前は、道場主の娘とは関わりなく、自らの意思で剣術の腕を磨いていったのでしょう。また「千葉の鬼小町」と呼ばれていたそうで、剣の腕前と美貌を合わせ持った女性だったようですね。
坂本龍馬と婚約
千葉佐那の人生において大きな転機になったのが、坂本龍馬が千葉道場に入門したことでしょう。坂本龍馬とは、そうです誰もが知ってるあの坂本龍馬です。幕末の騒乱の中で活躍した、日本の歴史上でも重要とされる人物ですよね。司馬遼太郎が書いた「竜馬がゆく」では、剣術の修行のために、龍馬が江戸に向かうところから始まります。剣術を学ぶ場として選んだのが、千葉道場だったのです。入門後すぐに龍馬は佐那に心を奪われたようです。龍馬が姉に送った手紙の中に、佐那の驚くべき剣術の腕前と共に、十三弦を弾き絵もうまく物静かな女性だと書いているんですよ。その時点で龍馬が佐那に好意を持っていたことがわかりますね。
そして2人は婚約に至るのです。しかし時は幕末、坂本龍馬は江戸と土佐を頻繁に行き来します。己の志のために全国を奔走する龍馬には、あろうことか新しい出会いが…。そうです、あのお龍(おりょう)こと楢崎龍(ならさきりょう)です。龍馬の話にお龍の存在は欠かせません。でも佐那がこのことを知った時、どう思ったのか気になりますし、なんだかかわいそうですよね。
回想録
千葉佐那の回想録には、安政5年(1858)龍馬が北辰一刀流長刀兵法目録皆伝となった頃に婚約したと記されています。この時、佐那は20歳で龍馬は22歳でした。しかし龍馬は京でお龍と出会い、彼女を妻としてしまったのです。そして慶応3年(1867)、龍馬の尽力があった大政奉還成立の1ヵ月後に、近江屋事件で暗殺されます。残念ながら千葉道場を出た後の龍馬のことに付いては、佐那の思いなどは資料にも言い伝えにも残っていません。ただ、いくつかの逸話が残されているんです。その一つが、父・定吉が仕立ててくれた紋付です。佐那と龍馬の結婚のために作ってくれたもので、その紋付には坂本家の家紋が入っていたのです。佐那は紋付の入った片袖を、龍馬の死後も形見として大切に持ち続けていました。
もう一つは、若くして亡くなった姉の子どもに龍太という名を付けて育てたことです。これらの逸話から思えてくるのが、最強の女性剣士であり、腕力も並みの男性以上だった佐那が、16歳で龍馬と出会って心を焦がした日々を送ったこと。寡黙な佐那は、きっと心の中で龍馬を愛し続けていたのだと思いませんか。
明治維新後
明治維新後、佐那は兄の重太郎と京都へ移り住みます。京都では、剣の道から離れて、現在の学習院女子部で寄宿舎の生活指導などを行う職に就いたようです。剣術から培った凛とした姿勢が評価されたのでしょうね。その後の明治15年(1882)、45歳になった佐那は東京の千住に移ります。そこで灸治院を開業し、晩年は灸師としての日々を送ったのでした。千葉佐那は、一生独身だったと言われていますが、元鳥取藩士の山口菊次郎と結婚したという話もあります。しかし明治29年(1896)に59歳で亡くなったときには独り身でした。なので無縁仏になりそうなところを、佐那の灸治院に通い親交のあった知人が、甲府市の清運寺にお墓を建てたのです。そして没後120年となる平成28年(2016)に、千葉家ゆかりの東京都練馬区にある仁寿院に改葬されました。
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口伝で象山は勝海舟の師匠にあたるとの事(海舟の妹が像山に嫁いでいます)
で、象山が切られた後、佐久間~私の先祖は最終的に千葉に移り住みました。
もしかしたらなにかしらの縁があったのかもですね。長文失礼しました。
2023/09/23 11:08