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大阪のど真ん中。不思議な坂が連なる「天王寺七坂」の歴史

 大阪の繁華街である天王寺駅の近くには、風情豊かな坂道が7つあり、「天王寺七坂」と言われています。大阪市は平坦な場所が多いイメージですが、この周辺は特にアップダウンが激しく、坂道が多数。特に有名な7つの坂はそれぞれ歴史やエピソードがあるのでまとめてご紹介したいと思います。

天王寺七坂とは?

 天王寺区にある7つの坂を「天王寺七坂」といいます。

 北から順番に、真言坂(しんごんざか)、源聖寺坂(げんしょうじざか)、口縄坂(くちなわざか)、愛染坂(あいぜんざか)、清水坂(きよみずざか)、天神坂(てんじんざか)、逢坂(おうさか)となっています。どれも長さは100mほどの短い坂ですが、逢坂以外の6つの坂は車が通れない幅の歩行者専用の道になっていて、細い石畳と石段という趣ある風景が見られます。(生玉真言坂、天神坂の一部も車両通行できます)。

 写真スポットにもなっているので、訪れた際にはぜひ写真を撮って楽しんでみて下さい。

天王寺七坂の独特の風景はどこから?

源聖寺坂の風景
源聖寺坂の風景

 これらの7つの坂は、「上町台地」という高台にあり、谷町九丁目から天王寺までの間を通っている谷町筋の西側に位置します。はるか昔、上町台地より西側(現在のなんばエリア)は海が広がっていました。かつて都が置かれていた「難波宮」には港があったことでも有名です。そのため、上町台地の西側にあたる場所は海岸通りとも言えるような場所だったそう。海岸と台地の上を結ぶ”坂”が多いのも頷けます。

 口縄坂と清水坂の間にある地名「夕陽ケ丘」は、夕陽の名所として知られていました。繁華街が広がる現在では考えられませんが、昔は海に沈む夕陽が美しく見えたことが想像できます。

天王寺七坂それぞれの歴史

真言坂(しんごんざか)

 昔、ここに「生玉十坊」という10の寺があったそう。その全てが真言宗であったため、「真言坂」という名前が付きました。坂の先には「生國魂(いくたま)神社」があり、注目スポットです。

源聖寺坂(げんしょうじざか)

 坂の近くにある「源聖寺」にちなんで名づけられました。石畳が美しい坂ですが、実はその石畳にはかつて大阪を走っていた大阪市電の敷石が使われているそう。

口縄坂(くちなわざか)

 大坂城を築城する際、縄打ちを始めた地であること、そして道の起伏が「蛇(くちなわ)」に似ていることから名がついたと言われています。現在はほぼ階段の坂になっています。織田作之助の文学碑もあります。

愛染坂(あいぜんざか)

 「愛染堂勝鬘院」があることで有名です。地元の方には「愛染さん」と呼ばれていて、大阪の三大夏祭の一つ「愛染祭」が行われます。愛染坂の近くにある「大江神社」も見どころのひとつです。

清水坂(きよみずざか)

 「有栖山清光院清水寺」にちなんで名付けられた坂で、展望スポットとしても知られています。大阪市内で唯一の滝「玉出の滝」があることでも有名です。

天神坂(てんじんざか)

 真田幸村最期の地である安居神社があります。安居神社は学問の神様として有名な菅原道真を祀っていることから、天神坂となりました。

逢坂(おうさか)

 現在は通行量の多い坂で、なんば方面へと通じる坂です。坂の向かい側には「一心寺」があり、近くには大坂の陣に関連したスポットも多いので歴史好きの方は必見です。

七坂は観光スポットのひとつ!ぜひ街歩きを楽しんでみて

 北の谷町九丁目から一番南の逢坂まで、上ったり下ったりしながら歩くと2時間ほどかかります。真夏や真冬は少し厳しいかも知れませんが、石畳の景観を楽しみながら散歩するのも良さそうですね。

 また、七坂を巡るスタンプラリーも実施されています。台紙の販売場所は、天王寺区民センターと生国魂神社・齢延寺・銀山寺・源聖寺・金台寺・太平寺・珊瑚寺・称名寺・清水寺・安居神社・一心寺です。(詳細はてんのうじ観光ボランティアガイド協会へ)

 スタンプラリーやお寺めぐりも同時に楽しみながら、歴史散歩を楽しめる天王寺七坂めぐり。機会がある方はぜひ楽しんでみて下さい。

※参考:上六うえいくネット

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  この記事を書いた人
ゆかた さん

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