京都の一等地に佇むパワースポット「六角堂」の歴史とは？

さまざまな魅力を併せ持つ六角堂

　本堂が六角形になっていることから名前がついた「六角堂」。正式名称は「紫雲山　頂法寺」で、聖徳太子が建立したことでも知られる歴史ある古刹です。西国三十三所と洛陽三十三所でもあり、日々訪れる人が絶えません。六角堂にはいくつか知っておきたい魅力があるので、ひとつひとつご紹介していきます。

いけばな発祥の地

　六角堂はいけばな発祥の地であり、「池坊」の家元が代々住職を兼ねているのだといいます。

　聖徳太子は「和を以て貴しとなす」という平和の心を説きましたが、その精神を残す「華道」とは深いつながりがあります。現在も六角堂の隣には池坊のビルがあり、関係が深いことがわかるでしょう。華道好きの方もぜひ注目してみて下さい。

聖徳太子創建の歴史ある神社

　用明天皇２年（５８７）、山城国（京都南部付近）を訪れた聖徳太子によって建立された寺院とされています。天台宗系の寺院であり、創建も用明天皇２年（５８７）です（諸説あります）。

　伝説によると、聖徳太子が池で水浴をするために持っていた観音様を傍らに置いたところ、動かなくなってしまいました。そして観音様がこの地にとどまりたいと言ったため、この地に霊木を用いて堂を建立することにしたといいます。このご本尊である如意輪観音像は人々の信仰を集め、西国三十三所観音巡礼の札所としても有名になりました。後に親鸞が参籠したことでも知られているそうです。

京都の中心にある神社

　六角堂には京都の中心を示す「へそ石」があります。場所は山門をくぐった右前方。丸い穴の開いた六角形の石があることがわかります。これが「へそ石」と言われ、この場所が京都の中心だといわれています。

　この石はかつて平安京があった時代、本堂のあった場所に工事で道を通したかったため、「できれば南北どちらかへお動き下さい」と勅使が祈ったところ、堂は自ら北に移動し、もとの位置にへそ石が残っていた……という伝説があるのだとか。

地蔵がならぶスポット

　六角堂の境内には、様々な仏像がいらっしゃいます。特にたくさんのお地蔵さまが並ぶスポットは壮観です。中には、子どもを守ってくれるといわれる「わらべ地蔵」や、１つだけ願いを叶えてくれるという「一言願い地蔵」が安置されています。お地蔵さまにもぜひお詣りをしてみてはいかがでしょう。

縁結びスポット

　実は六角堂には「縁結びの柳」という不思議なパワースポットがあり、縁結びの御利益があるそう。気になる方はぜひチェックしてみて下さい。

　平安時代、嵯峨天皇が伴侶を探していた時に観音様のお告げで「六角堂の柳に向かいなさい」というお告げがあったそう。そして向かうと、そこには美しい女性が立っていました。天皇はその女性を后としましたが、その女性は多くの人からあがめられるほどの良い后となったといいます。この話から、六角堂の柳には良縁を結ぶ力があるという噂があり、「縁結びの柳」として知られるようになったのだそうです。

六角堂のビュースポット

　六角堂の六角形の形は、平面から見てもわかるものではありません。せっかくなのだから六角形を見たい…という方は、隣のビルのエレベーターから眺めることができます。入っても良い場所なのかな？と少し疑問に思う方もいるかもしれませんが、案内が貼ってあり、わかりにくければ寺務所に行けば教えていただけるので、ぜひ上空から綺麗な六角形を眺めてみて下さい。

散策につかれたときの癒しスポットでもある六角堂

　六角堂についてご紹介してきました。

　六角堂の周辺には新風館や国際マンガミュージアムなど注目のスポットがたくさんあるので注目を奪われがちなのですが、訪れてみると面白い歴史やスポットのある京都らしい雰囲気を感じられる場所です。六角堂の裏にあるビルの１階に入るスターバックスからはガラス越しに六角堂を眺めることもできるので要チェック！

　ショッピングに疲れた時や癒されたいときに立ち寄ってみてはいかがでしょう。