世界に誇る日本ファンタジー小説の原点『八犬伝』が実写映画化 役所広司×豪華キャスト陣が贈る、 【虚パート:八犬伝】と【実パート:馬琴】が交錯する前代未聞のエンターテインメント超大作! ”八犬伝”
- 2024/10/11
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【投稿】戦ヒス編集部
『八犬伝』滝沢馬琴と葛飾北斎の功績と友情に迫る!
唯一無二の奇想天外な物語で、日本のファンタジー小説の原点と称えられる「南総里見八犬伝」を、ダイナミックかつ緻密なVFXを駆使して実写映画化。里見家の呪いを解くため、八つの珠に引き寄せられた八人の剣士たちの運命をダイナミックなVFXで描いた「八犬伝」=【虚】の世界と、物語を生み出した馬琴の感動の実話【実】の2つのパートが交錯する、山田風太郎の小説『八犬伝 上・下』(角川文庫刊)を映画化した前代未聞のエンターテインメント超大作『八犬伝』が、10月25日(金)より全国公開を迎える。
『八犬伝』のルーツとなるのは、江戸時代後期にあたる文化11年(1814年)から28年かけて天保13年(1842年)に完結した全98巻、106冊の大作「南総里見八犬伝」。刊行当時から歌舞伎の演目となっていたが、200年近くの時を超えた現代においても、小説、児童書、マンガ、アニメ、テレビドラマ、映画、ゲーム、舞台など、多彩なジャンルのエンターテインメントに影響を与え続けている物語である。そんな「南総里見八犬伝」の作者である滝沢馬琴と、蜜月の関係を築いていたと言われている浮世絵師・葛飾北斎の友情や功績、本作での描かれ方についてご紹介。学生時代の歴史の授業以来、馬琴や北斎にあまり接点がなかった方も映画が気になること間違いなし!
武家の一家から戯作者へ 世界有数のストーリーテラー滝沢馬琴
まずは「南総里見八犬伝」の世界を書き上げた、滝沢馬琴にフィーチャー。馬琴は武家の一家、滝沢家に生まれる。大黒柱の父が亡くなったことで一家は離散するが、物心つく頃から物語を求めていた馬琴は戯作者、山東京伝のもとで学び、版元である蔦屋重三郎の店に奉公し、戯作者の道へ進む。だが、物語を書いて生計を立てることは容易ではなく、履物商いの家の入婿となって物語を書き続けた。江戸時代後期にはさし絵より文章を主とした長編小説である読本の作者として活躍。『椿説弓張月』で評判を高め、『南総里見八犬伝』も超大作として話題となり、両作品ともに歌舞伎の演目としても知られている。馬琴の作品は中国・日本の歴史や伝説を題材に、武士道の精神と儒学の教え、悪が滅び善が勝つ「勧善懲悪」の視点で描かれていることも特徴のひとつ。また、馬琴は原稿料のみで生計を立てることができるようになった最初の職業作家とも言われており、武士としての誇りを忘れず、高い教養を持ち、戯作者の地位を高めた日本の文化の発展には欠かせない人物。そんな馬琴を演じているのは、確固たる評価と絶大なる人気を得る日本を代表する名優であり、『PERFECT DAYS』(23)でカンヌ国際映画祭最優秀男優賞に輝き、世界にもその存在を轟かせた、役所広司。カタブツでヘンクツ、几帳面な暮らしを送る一癖も二癖もある馬琴の深層心理までを演じきっている。
絵を愛し、画道ひと筋 ひたすらに邁進し続けた浮世絵師 葛飾北斎
続いて浮世絵師・葛飾北斎を紹介。幼い頃から絵を描くことに熱中し、十代の終わりに人気浮世絵師・勝川春章に入門し、絵師となった北斎は江戸時代後期に活躍。その代表作が「富嶽三十六景」で46図におよぶ浮世絵版画のシリーズ。北斎は、圧倒的な画力と奇想天外なアイディアで、全図各地から眺めたさまざまな富士山の姿を描いた。とにかく研究熱心な努力家としても知られており、浮世絵の様式を習得するだけでは飽き足らず、さまざまな画派の技法を取り込み、中国や西洋の絵画も研究していた。90歳の長寿を全うし、生涯現役としてあらゆるものを絵に描き続け、画道ひと筋でひたすらに邁進し続けた人生を送った。そんな北斎を演じているのは、演じる役どころによって無限の顔を繰り出す内野聖陽。演技派として映画やドラマ、舞台と幅広く活躍しており、ドラマ「きのう何食べた?」(19/TX)での演技も話題となった。馬琴の一番の理解者であった天才絵師北斎を、ユーモアを添えて体現している。
役所広司×内野聖陽!夢のキャスティングで体現する、馬琴と北斎の関係性
お互いに強烈な個性と才能をもっている馬琴と北斎。大人気絵師である北斎の挿絵読本は数多く存在するが、享和4年(1804)刊行の『小説比翼文』から始まった馬琴×北斎のタッグは北斎史上最も多く描いた作品であり、北斎が馬琴の家に居候していたことも出版された読本内にて明かされている。互いに40歳を超えてから寝食を共にする、少々奇妙にも感じるほどの仲の良さだったそう! そんな馬琴は「南総里見八犬伝」の挿絵を北斎に依頼していたが、自分でラフを描いて指示を出すほど挿絵への注文はうるさく、自分の感性を重んじていた北斎はしばしば指示を無視するなど、必然とも言えるふたりの衝突秘話も多数存在している。しかし、お互いに良き理解者として、それぞれの創作を尊重しており、馬琴も北斎の性格を見越して、人物を右に配置したい時は、わざと左に配置した稿本を北斎に渡したと手紙で告白している。衝突しつつもお互いを称賛し天才同士の友情が育まれていた。
映画では、曽利監督が「夢のキャスティング」と語るメンバーで映画化が実現!特に、馬琴役と北斎役には並々ならぬ想いがあり、決定した際には「自分が一番見たかった馬琴と北斎が成立したので感無量でした。これで映画人生を終えても悔い無しと思うほどでした」と感慨深くコメントしている。役所に関しては、「現場では自然体でリラックスされているのですが、完璧に準備され、台詞をご自身のものとして臨んでくださっていました。カメラが回ると演技とは思えない滑らかな口調で、馬琴そのものでした」と語り、別作品でも共にしている内野に関しては、「非常に頭の回転の速い方で、いろんな技を繰り出してくる」と遊びのある演技を絶賛。アドリブでの掛け合いも多く、内野の演技を役所が受け止める、時にはいなすような息のあった掛け合いもぜひチェックして欲しい!
馬琴と北斎、ふたりの天才が憑依したかのような役所と内野の名演技にも目が離せない。前代未聞のエンターテインメント超大作『八犬伝』にぜひご注目ください。
江戸時代の人気作家・滝沢馬琴は、友人の絵師・葛飾北斎に、構想中の物語「八犬伝」を語り始める。里見家にかけられた呪いを解くため、八つの珠を持つ八人の剣士が、運命に導かれるよう集結し、壮絶な戦いに挑むという壮大にして奇怪な物語だ。北斎も魅了した物語は人気を集め、異例の長期連載へと突入していくが、クライマックスに差しかかった時、馬琴は失明してしまう。完成が絶望的な中、義理の娘から「手伝わせてほしい」と申し出を受ける──。失明してもなお書き続けた馬琴が「八犬伝」に込めた想いとは。
- 原作:『八犬伝 上・下』 山田風太郎(角川文庫刊) 監督・脚本:曽利文彦
- 出演:役所広司、内野聖陽、土屋太鳳、渡邊圭祐、鈴木 仁、板垣李光人、水上恒司、松岡広大、佳久 創、藤岡真威人、上杉柊平、河合優実、栗山千明、中村獅童、尾上右近、磯村勇斗、大貫勇輔、立川談春、黒木華、寺島しのぶ
- 製作:木下グループ 制作プロダクション:unfilm 配給:キノフィルムズ 2023/日本 G
全国ロードショー
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なお、歴史学者・濱田浩一郎氏による「映画『八犬伝』のみどころ」もあわせてご覧ください!
https://sengoku-his.com/news/446