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身延山久遠寺(山梨県南巨摩郡身延町)の門前町を歩く

身延山久遠寺へと続く道には、2つの門がある。まず出合うのが総門。大きな額が迫力を感じさせる門であり、ここには「開会関(かいえかん)」と書かれている。自動車やバスでも、ここを通ることで神聖な場所であることを感じさせる。

この総門から三門までの道は、ゆるやかなカーブのある上り坂になっている。道の両側は飲食店や土産物店などが連なる門内商店街だ。
みのぶまんじゅう、あけぼの大豆などの名物の看板が目を引くものの、どこかのんびりとした懐かしい風情で、数珠などを売っている店もある。カフェや旅館と並んで食堂や喫茶店があるなど、観光地というより地元感が溢れる商店街だ。

日蓮宗総本山である身延山久遠寺の三門は、山門ではなく三門と呼ばれるという。「空・無相・無願」の3つの解脱を意味する三解脱門の意味があり、ここから涅槃に見立てられた大本堂に入るとのこと。

この三門には一夜にしては運ばれてきたという逸話が残る仁王(金剛力士)像が安置されており、足の功徳を願って草鞋や靴がたくさん奉納されているのも興味深い。

三門をくぐると、本堂に向かってまっすぐに上る階段が見える。
「菩提悌(ぼだいてい)」と呼ばれる287段の石段は、南無妙法蓮華経を唱えるように7つに区切られているという。かなり急な石段であり、県内の陸上部が練習のために上る場所でもある。上までのぼろうとすると大変な思いをするので、途中から脇にある男坂、女坂から境内を目指す人も多いのではないだろうか。

境内へ行くには菩提悌を上るのが正式なルートだと思うが、すべての人が健脚なわけではないだろう。三門の前の道を通って道なりに行った先には大きめの有料駐車場があり、駐車場の奥からは無料の斜行エレベーターが大本堂のある境内まで運んでくれるので、そちらのルートを利用することもできる。

大本堂などがある境内は枝垂れ桜でも有名なスポットだ。ここから身延山頂の奥之院までは、ロープウェイで7分。境内からは参道が続いていて、信仰の道として歩いて山を登る人もいるという。

山頂の展望台からは富士山を含む山々のほか、天気がよければ遠く駿河湾まで見渡せるという。山頂にある奥之院思親閣は、日蓮聖人が房州小湊にいる両親と師を思った場所とのこと。ここには、故郷の両親と師を追慕する姿の日蓮聖人立像が建っている。

帰り道、門内商店街を歩いてみのぶまんじゅうと湯葉をお土産に買った。ひらがなで「みのぶ」と焼き印の押された小ぶりのおまんじゅうは、身延土産の定番だ。飲食店はどこに入るか迷ったが、地元の人に愛されているお店に入って、どこか懐かしい感じの商店街を堪能した。

◆ 参考
身延山久遠寺オフィシャルサイト
https://www.kuonji.jp/
身延山観光協会
http://www.minobu.info/

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  この記事を書いた人
KOBAYASHI Sayaka さん
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