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謎の巨人、「だいだらぼっち」って何?
- 2025/02/28

日本各地に伝わる「だいだらぼっち」伝説。いうならば、山や湖など自然に由来した巨人のことで、日本各地に数多く伝説が残っています。その多くが、山や湖沼を作るといった伝承が多く、国づくりの神様に対する巨人信仰から生まれたのかもしれませんね。
だいだらぼっち って何?
古くから伝わる全国各地の伝承の中に、「だいだらぼっち」という巨人が数多く登場しています。日本には、信仰心から創り出された伝承や言い伝えがたくさん伝わっています。「だいだらぼっち」も、その伝承の中の一つです。国づくりに関わる神様に抱いた巨人信仰から、誕生したのではと言われています。この何とも奇妙な名前の「だいだらぼっち」。なぜこんな名になったのか、その由来となる説は様々にあるのですが、有力と言われてるのが、「大太郎(だいだら)」という大きな人を意味する言葉に法師を付けて、「大太郎法師(だいだらぼっち)」となったものです。その他にも「だいだらぼう」や「でいらんぼう」といったように、各地域によって微妙に呼び名が異なります。
だいだらぼっちの伝説
だいだらぼっちが登場する伝説は、全国各地に存在しています。その伝説は、山を作ったとか運んだというものが多く、中でも有名なのが富士山にまつわるものでしょう。だいだらぼっちが富士山に関わる話としては、富士山を作るために甲州から土を掘り出して土盛りした・富士山を作るのに近江の土を掘った・だいだらぼっち同士が競争をして富士山と榛名富士ができた、など様々な逸話が残っています。

この他に、富士山と滋賀県の間にある山は、近江から掘った土を運ぶ際にこぼれ落ちてできたという伝説もあります。富士山を霊峰と呼ぶのは、だいだらぼっちが作ったという伝説に影響を受けたものだとも言われているんですよ。
山に関する伝説の多いだいだらぼっちですが、茨城県の筑波山にもそのような伝説が伝わっています。西の男体山と東の女体山からなる筑波山、これはだいだらぼっちが富士山と筑波山の重さ比べをするために、両山を天秤にかけたのですが、筑波山を地上に落としてしまったために、その衝撃で二つになってしまったからだそうです。また、全国を忙しく駆け回っていただいだらぼっちが、疲れて筑波山に腰をかけたために、山頂が凹んでしまったというような伝説も残っています。
だいだらぼっちと琵琶湖
だいだらぼっちは山だけでなく湖との関わりも深く、いろんな話が見られます。中でも日本最大の琵琶湖に関する伝説は、富士山を作る伝説とも大きく関係しています。だいだらぼっちの富士山伝説の一つに、近江の土を掘って富士山にしたというものがありますが、琵琶湖はその時に掘った跡に水がたまり湖となったとものだそうです。人々の生活にもしっかりと根を下ろしていただいだらぼっち伝説、それが縁となり、現在滋賀県近江八幡市と静岡県富士宮市との間で、「お水取り」と「お水返し」関連する2つの行事が、昭和32年から行われるようになっています。
だいだらぼっちの足跡
だいだらぼっちの有名な伝説は日本各地に残っているもので、富士山や琵琶湖には限っていません。特に足跡や手跡に関する伝説は、日本各地にあるんです。その一部ですが抜粋しておきます。木部の赤沼(きべのあかぬま)
だいだらぼっちが上州の赤城山に腰をかけた際、立ち上がろうと踏ん張った時にできた足跡に、水が溜まったのが木部の赤沼だそうです。長野県の仁科三湖(にしなさんこ)
仁科三湖は、長野県大町市に存在する3つの湖の総称で、人気の観光スポットでもあります。青木湖・中綱湖・木崎湖からなる仁科三湖は、どれもだいだらぼっちの足跡なんだとか。静岡県の浜名湖
観光やウナギで有名な浜名湖ですが、ここにもだいだらぼっちの伝説があります。この浜名湖もだいだらぼっちが手をついた際にできた凹みだったところ。そこにだいだらぼっちの涙が流れ込んでできた湖だそうです。様々な伝説
だいだらぼっちは、日本各地に伝説が残っている巨人ですが、その多くは、山や湖に関係するものが多いですよね。日本で有名な山や湖には、たいていだいだらぼっち伝説が伝わっているような印象です。それだけ、自然豊かな日本の国土を作り上げたくれた神様が、巨人だいだらぼっちということだったのでしょう。こんなに美しい自然を作るのですから、きっと優しい心を持った神様だったのでしょうね。
有名な伝説やそれほど有名ではない伝説まで、幅広く各地で存在していただいだらぼっち。全国に伝わるだいだらぼっちの伝説を、巡ってみる旅行をしてみるのも楽しいかもしれませんね。
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